確定申告の申告書にて、aやbといった異なるアルファベットが付けられていることをご存知でしょうか。確定申告というだけで複雑な印象を感じてしまうのに、a・bの違いに戸惑ってしまうと、さらに難しいものといった印象が強くなってしまいます。
そこで今回は、
・このアルファベットによる違いは何なのか
・自分の場合はどちらで申告すればよいのか
この2つについて解説していきたいと思います。一度理解すれば次からは迷うことなく作成できると思いますので、ぜひ最後までご覧になってみて下さいね。
確定申告書bとaの違い
ではまず、この2つの申告書の違いからお話していきましょう。
使用する者によって分けられる
そもそも2つの申告書が存在する理由としては、個人事業主or会社員といった大きな枠で分けるためです。
そのため、
・個人事業主…確定申告書b
・会社員…確申告書a
という決まりがあるのです。
会社員の方なら見ることのないbの申告書、一方個人事業主なら使うことのないaの申告書、実際記入項目や記載項目には違いがあるのでしょうか。
実際の申告書を照らし合わせてみていきたいと思います。
aの方が記入する項目が少ない
申告書のタイトルや個人情報を記入する欄はまったく同じですが、収入金額等の欄から違いが生じてきています。
bではフリーランスの方が使用するということもあって、収入の内訳が圧倒的に多いです。
申告書bの収入金額等
・事業(営業等、農業)
・不動産
・利子
・配当
・給与
・雑(公的年金、その他)
・総合譲渡(短期、長期)
・一時
このように、細かく分けて収入を記入できるようになっています。
申告書aの収入金額等
・給与
・雑(公的年金等、その他)
・配当
・一時
一方こちらは上記項目のみとなります。
たくさんの項目があるbを使用する個人事業主の方にとっては、申告が大変なものに感じてしまうかもしれませんね。しかしあくまでご自身が当てはまるものにのみ記入すれば良いので、不動産所得がなければ空欄で問題ありません。
他にもbの第二表では、個人事業主ならではといえる“事業専従者”に関する事項を記載するという項目もあります。大きな枠として分けられているだけあって、記入項目に違いがあるのは当然といえるでしょう。
ケース別~どちらの申告書を使用すれば良い?~
大きく個人事業者と会社員という枠で分けられてはいるものの、さまざまなケースによってどちらを使用すれば良いのか迷ってしまうこともあります。
例を挙げてみていきましょう。
1.一時所得
生命保険などの満期で、一時的に所得を得た場合は申告書aを使用します。
2.配当所得
株式の配当、分配金による所得…申告書a。
3.雑所得
年金、副業による所得…申告書a。
上記のみの所得があった場合は申告書aを利用してください。bはおもに事業・不動産による所得がある方のみが利用します。3つのケースにおいても対応しているのが申告書bなので、aはあくまでも簡易的な申告書という認識を持っておくと分かりやすいでしょう。
確定申告書を書く前に準備するもの
では、いざ申告書作成となる前に、スムーズに記入できるよう準備物をチェックしておきましょう。
・所得内訳書(源泉徴収票等)
・控除の証明書(医療費明細書等)
・マイナンバーが分かるもの
おもにこれらがあれば問題なく記入することが可能です。もちろん、株式などによる譲渡所得などがある場合には計算明細書なども用意し、記入しなくてはなりません。
後は印鑑を持って税務署へ提出するのみとなりますが、近年ではネット申告を利用する方が増えていることはご存知でしょうか。とっても便利な申告方法となっていますが、ネット申告ならではの準備物が存在しますので、注意してください。
ネット申告の準備物
・ICカードリーダー
・マイナンバーカード
この2つは必ず必要となります。また、パソコンの環境を整えておくことも必要です。最新の状態にアップデートしてから始めて下さい。
ネット申告をマスターしよう!
確定申告時期が近づくと、どうしても申告をしにくる人で税務署は溢れかえります。みなさん早めの申告を心がけようと思っていても、やはりお仕事の都合などでギリギリになってしまうこともあるのでしょう。
初めての方がその光景を見ると、気持ちがなえてしまうかもしれませんね。人混みも待ち時間も平気という方のほうが少ないと思いますので、ぜひイータックスをマスターしてみてください。
カードリーダーは家電量販店でも購入できますし、ネットからでも手に入れることが出来ます。その際はマイナンバーカードに対応しているかをよく確認することを忘れないようにして下さい。
今日は2つの申告書の違いから、ケース別の申告書選びについてご紹介してきましたがいかがでしたでしょうか。基本的に会社勤めをされている方であれば、簡易的な申告書であるaを利用して問題ないでしょう。そろそろ年末が近づいてきているので、早めに準備しておくことをおすすめします。