2017年から事業を始められた方は、来年の2/16~3/15までに確定申告をしなければなりません。いきなり複雑な記帳は難しいと感じる方が多いため、ほとんどの方が白色での申告を選択することでしょう。
白色申告にはどんな提出書類が必要となるのか、その提出書類の書き方についてご説明していきたいと思います。はじめての方にとっては分かりづらい点についても詳しく解説していきますので、漏らさずしっかりチェックしてくださいね。
白色申告の提出書類
白色申告では、
・収支内訳書2ページ
・確定申告書b
・添付書類
の3つを提出します。
収支内訳書とは?
この書類には一般・農業・不動産3種類の所得から選ぶことができるようになっています。基本的に個人で事業をされている方は事業所得となるので、一般で問題ありません。
なぜ所得によって分かれているのかというと、農業ならではの経費があるため、それに応じた内容で作られているためです。
収支内訳書の書き方
ではその収支内訳書の書き方についての説明を始めましょう。
1.日付
まず、この書類には日付を書くところが3つ存在します。
1つ目は中央の一番上にある平成○○年分収支内訳書というところです。ここにはいつの会計の集計であるかを記す必要があるため、2018年分を2019年に申告する際には、平成30年になります。
2つ目は左端にあり、ここは提出する日付を書きましょう。
3つ目は集計期間を記載する欄になります。年度初めである1月1日から12月31日までとなるのが一般的ですが、事業を開始したのが2018年の途中からであれば開業日を記載してください。
例)自〇1月〇1日 至12月31日 開業日の場合 自〇5月10日 至12月31日
2.あなたの情報
次は自宅住所や事務所を構えている場合はその住所を記載したり、氏名や連絡先を記載する欄になります。事務所と自宅を兼用しているのであれば、事業所の欄は同上で問題ありません。
屋号は社名と同じようなものですが、まだ決まっていないときは氏名を記載しておきましょう。その他二つは当てはまるものがなければ空欄でかまいません。
3.収入と売り上げ
収入金額欄
1.売り上げ(収入)金額には事業で売り上げた額と収入の合計額を。
2.家事消費は販売、または提供している商品を使用したり、食した場合に記入します。
3.その他の欄は他に収入がなければ空欄
4.最後にすべての合計額を書きます。
売上原価欄
5.期首商品卸売高は、開業日もしくは1月1日の段階での商品の総額を。
6.仕入れ金額は年間の仕入れ額。
7.小計で上記2つの合計を記入。
8.期末商品卸売高には年末31日での商品総額を。
9.差し引き原価には小計から期末商品卸売高を差し引いた額を記載。
10.最後に収入金額の合計から差し引き原価欄に記載した額を書きます。
3.経費や所得
経費には、従業員に支払ったお給料や、交通費、通信費、接待費などを記載していきます。当てはまるものがないのならその欄は空けておいて大丈夫です。
経費の総額を計算し、10.の金額から経費の合計額を差し引くと専従者控除前の所得をもとめることができます。専従者(親族や配偶者)などが事業にたずさわっている場合は、専従者控除欄に家族に支払った給料を記載します。
ここまでの計算が終われば、あとは専従者控除前の所得から専従者への給与額を差し引いて所得を導き出しましょう。
後は給料賃金の内訳や専従者の氏名、税理士へ支払った料金などがあれば記しておきます。これで1ページ目は完成です。
2ページ目については、売り上げや仕入れ額の詳細、減価償却費の計算になります。
4.減価償却
パソコンや事業用の自動車などを購入した際は、数年かけて少しずつ経費として計上していくことになります。購入日や数量を記していきますが、こちらの国税庁サイトにて確認してみて下さい。
5.地代家賃
これは店舗や自宅とは別に事務所がある方にのみ該当します。家賃を支払っている大家さん・不動産会社などの氏名や住所を記載してください。
“権・更”には礼金、更新料の額を。“賃”には賃貸料の総計を記載します。
6.利子割引料
こちらは銀行以外で個人や法人にお金を借りていて、利子があるときのみ記載する欄のため、ほとんどの場合は空欄になると思います。
簡単にご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?基本的に該当しないものは空欄になり、該当するもののみ埋めていくという形になります。
帳簿はどうやって付ける?
白色申告の帳簿付けは簡単な単式簿記のため、
・商品を売り上げた年月日
・相手先の名称
・いくらで売り上げたか
を記録していくだけでよいです。
経費についても、
・経費の名称(通信費や接待交際費など)
・金額
・支払った年月日
を記録していけば問題ありません。
青色申告とは異なり、記帳が簡単なところが白色申告の利点といえるでしょう。年の終わりが迫ってきていますので、早めに準備を整え、スムーズな申告を目指してくださいね。