税務調査の選考基準とは

個人事業主の方や法人を設立された方などにとって、税務調査とは“恐ろしい”イメージがあるでしょう。

一方で、
・自分の所得レベルじゃ対象になるわけがない
・何も不正はしていないし大丈夫
そんな風に考えている方も多いと思いますが、税務調査の選考基準はどのようなものかご存知でしょうか。

今回は、選ばれる基準となるものにはどんなものがあるのか、調査対象についても詳しく掘り下げていきたいと思います。

税務調査件数は意外と多い

かなりの高所得者のみが対象とされるものと考えると、それほど数は多くないのでは?と考えてしまいますね。しかし意外とそう少なくはない数字であることが分かっているのです。

今から2年前になる2015年では650000件もの方が調査対象となっています。2010年までさかのぼって見てみると、もっとも多かったのは2013年の約900000件です。

これは所得税、消費税調査を受けた件数となり、そのほとんどが個人で事業を営まれている事業主に行われています。昔よりは個人で事業を始めやすい時代になっている背景も関係しているのかもしれませんが、この数は決して少ないとはいえないでしょう。

税務調査の選考基準とは

なぜ選ばれる?選考基準とは

ではどんな方が上記のような何十万件という数の中に選ばれてしまうのでしょうか。選考基準についてみていきます。

1.黒字

もちろん赤字だからセーフというわけではありませんが、やはり利益があるからこそ、その利益をいかに残すかという面において不正をしてしまうケースが多いためです。

ただ、わざと赤字で計上しているということも考えられるため、黒字の方が少し選ばれやすくなるといった程度と考えておいてください。

2.以前調査で指摘を受けたことがある

実際に、過去2度も調査対象となったことがあるものの、何の問題もなく指摘もされなかった会社も存在します。そういった場合は、選ぶ優先度がかなり落ちることになり、きちんとした申告をしていると認められる可能性が高くなります。

一方で、以前調査をされ指摘を受けたことがあるのであれば、その部分が修正されているのか、確かめるためにももう一度調査に入られることがあるのです。「二度とご免だ」と思っていても、確率は高くなるので注意が必要でしょう。

3.異常に増えた計数がある

調査員は対象者の決算書を数年間比較しながら、おかしい点はないかチェックします。その中で異常に増えた費用があると、対象になりやすいといえます。

たとえば売り上げが増加した年には外注費が極端にかさんでいる、支払いの手数料が急に増えているのに売上額には変化がないなどです。こういったケースは不信感を抱かせてしまうため、選ばれる確率が高くなります。

4.取引先の情報

税務調査は申告書からありとあらゆるところまで確かめます。あなたが取引きした会社に申告実績があるかどうか。なければ当然怪しいと思われてしまうでしょう。

これは“架空経費”ではないかと疑われる要因になります。もちろん、通常であれば取引先が申告をしていることは当たり前なのですが、架空の社名を記載するなどといった行為は自殺行為といえます。

驚きの調査対象

税務調査官といえば怖い印象があるでしょう。しかしいざ調査となった際、意外にも愛想よく接してくる調査官が多いと言います。その理由は、わたちたちから向けられる敵意を和らげ、スムーズな調査を行いたいためです。

その友好的な態度に安心しきっていると、私たちが想像もしえないものにまで目を光らせていることがあるのです。

タオルも調べられている?

給湯室などに設置されているタオルや、トイレの中の手をふくために用意されたタオル。これらも実は調べられていることがあります。

これは、金融機関などを訪れた時にその名称が入ったタオルを貰うことが多いためです。調査員たちはあなたの申告書をくまなく見ているので、どこの銀行を利用しているか、頭に入れながら調査に来ています。

申告の内容には無かった名称のものであれば、口座を隠しているのではないかと考えられる恐れもあるのです。そんなところまで?とびっくりしてしまいますが、それだけ彼らの目は光り続けているということを忘れないようにしましょう。

税務調査の選考基準とは

税理士に頼んだ場合の報酬

税務調査といえば、税理士立ち合いの元行われるのが普通です。調査の際に圧倒的に有利になりますし、答えられない質問でも知識のある税理士なら言葉で相手を納得させることもできるでしょう。

では、その依頼料の相場はいくらほどなのでしょうか。

・立ち合い…日当3~5万円
・修正申告…10~20万円

基本的に1日かかるといわれている調査に立ち会ってもらうと、約5万円ほどひつようになります。

また、調査後申告内容を修正しなくてはならないときには、それを依頼することもできますが、料金は跳ね上がります。値段を見ても分かるように、立ち合いはできるだけ依頼しておいて損はないと言えるでしょう。